書評

『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』を読みました。

最初に

久々に東京から神戸に帰ってきた時に昔読んでた本とかを漁ってみました!
昔読んで良いなって感じた本は今読んでもやっぱり良いですね!

今回はそんな昔読んでた本で良かった本をご紹介していきます!
その名も『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』!

タイトル長いですね。笑

読書するようになってから色々と哲学関連の本(入門的な軽い本)を読んでた時期があるのですが、哲学に興味を持ったきっかけになった本でもあります!

物語形式で哲学に触れることができるので、
哲学入門としては本当にお勧めな本になります!

ではご紹介していきます!(*’▽’)ノ

『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』概要

タイトル ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
著者 原田 まりる
出版社
ダイヤモンド社
発売日 2016/9/30
目次
  • プロローグ
  • 祝福できないならば呪うことを学べ
  • 人生を危険にさらすのだ!
  • いつも自分自身をいたわることの多いものは、
    その多いいたわりによって病弱になる
  • 情熱をもって生きないと、
    自分の世界は妬みに支配されてしまう
  • たとえ全世界を征服したとしても、
    自分自身を見失ったならば、
    何の意味があるというのだろうか
  • 健康的な乞食の方が病める王よりもより幸福であろう
  • 人は自由に呪われている
  • 他人とは地獄である。
    あなたはあなたの一生以外の、何ものでもない
  • 死をもって制を見つめた場合に、
    人はあ変わりがきかない存在だ
  • 人は皆あたかも死んでしまうかのようにすべてを恐れ、
    あたかも不死であるかのようにすべてを望む
  • 真理は二人からはじまるのだ
  • 運命がトランプのカードをシャッフルし、我々が勝負する
  • エピローグ

著書について

色々と書く前にどんなお話か分からない方も多いかと思うので、
どんなお話なのかを簡単に概要を書いていきますね!(*’▽’)ノ


主人公は京都に住んでいる17歳の女子高生『児島アリサ』。

正式に付き合っていないが、放課後や休日など頻繁に2人で遊びに行く仲の彼が、元々陸上部で同じだった由美子先輩と腕を組んで歩いているところを目撃してしまう。

『身を引いて彼と由美子先輩を応援すべき』という気持ちと『上手くいかなければいいのに』という気持ちが渦巻いている中、Twitterで『祝福できないなら呪うことを学べ ― ニーチェ』という言葉が目に飛び込んでくる!

『恋を励ます名言集★BOT』から流れてきた言葉だが、不思議と気になったこの言葉を心の中で唱えていたら、ふと『安井金毘羅宮』に行ってみることを思いつく。

『安井金毘羅宮』は「悪縁を切り、良縁を呼び込む」と言われていて、「縁切り神社」と呼ばれる人気パワースポット。恋愛だけでなく「いままでの自分を捨てて、新しい自分と出会う」という心機一転のきっかけを作ってくれるパワースポットでもあるそう。

そんな『安井金毘羅宮』で、アリサは早速お願いごとをします!

(どうか気持ちが吹っ切れて、新しい良縁に結ばれますように!そして、心機一転、新しい自分になれますように!)

 P12

そう願った後に向かったバイトの帰り道。
アリサの目の前に1人の男が立ちはだかります。

「私はニーチェだ。お前に会いに来てやった。」

P13

縁切り神社でアリサが『新しい自分になれますように!』と願っていたので、わざわざ現世に手助いに来たと言い放つ哲学者のニーチェ。(あきらかに変質者…。笑)

最初は警戒していたアリサだが、話していくにつれて徐々に警戒心を解いていく。
そして、ニーチェは『また近々会いに来る』とその場を立ち去っていく去っていく。

この日を境にアリサの前に『ニーチェ』『キルケゴール』『サルトル』『ショーペンハウアー』『ハイデガー』『ヤスパース』などの哲学の偉人が現れて京都の観光名所を回りながら『哲学する』とは何かを学んでいく。

17歳の女子高生が哲学に触れていく中で成長を描いていく感動の物語です!


 

この本はマンガ版もあります!
上中下巻の3冊でまとめられているので、小説を読むのに慣れてない方はこちらもお勧め!

小説もマンガ、イラストが結構好きなんですよね!
好みの方を買って貰えたら良いかと思います(*’▽’)ノ

この著書の『魅力』とは?

この本の魅力とは、ズバリっ!

  • 気軽に”哲学”に触れられる
  • キャラクターが個性的かつ魅力的
  • 京都が舞台で行って見たくなる

哲学って難しいイメージがあるかと思いますが、物語形式で分かりやすく哲学に触れることができるので、哲学の入門書としては凄いお勧めできる本です!

哲学の偉人が言ってくる言葉がまた深くて『ズシ―っと』胸に刺さってきます。

『考えること』で女子高生が成長していく姿も見れるので、自分の頭で『考える』ことに魅力を感じれたり、他の哲学にも触れてみようと思えるところがこの本の良いところですね!(*’▽’)ノ

そしてこの作品では、哲学の偉人たちが現代的風貌になって現れます!
現代風になって現れる哲学の偉人たちはこんな感じ!

ニーチェ:オタク気質なスマホアプリ開発者
キルケゴール:ミステリアスなカリスマ読者モデル
ショーペンハウアー:クラシック喫茶を営む頑固オヤジ
サルトル:ガールズバーの経営を手がける中年実業家
ハイデガー:京都大学の名物教授
ヤスパース:ニーチェの友人の精神分析医

この設定がまた面白いですね。笑

このニーチェに急に話しかけられるとそりゃあ警戒心ビンビンになりますわな…。
哲学の偉人に対して、ちょっと変わったイメージが持てるのもこの著書の楽しめるポイントですね!

そしてそして!
この作品はタイトルの通り、京都を舞台にしています!

京都の街並みや名所を偉人と一緒に回る様子が描かれているので、
『京都に行きたい!』って気持ちが湧いてくるのもこの本の魅力ですね!(*’▽’)ノ

この著書で私が『学んだこと』とは?

哲学に触れる中で様々な学びが得られる著書になるのですが、
特に『学んだこと』はこちらになります!

  • 『自分の頭で考える』ことは大事!
  • 人間は『自由』に選択することができる
  • 自分を受け入れて『勝負』の仕方を考える

『自分の頭で考える』ことは大事!

この著書の『祝福できないならば呪うことを学べ』の章では、『身を引いて彼と由美子先輩を応援すべき』と考えているア

リサの話すことに疑問を抱いたニーチェはアリサに向かって質問をします。

「どうも妙な話だな。ではひとつ聞くが、アリサはなぜ”応援したい”のだ?」

P20

陸上部では由美子先輩にお世話になったので、2人のことを応援したい気持ちはあるが心の底から応援できるかと聞かれると自信がない。と言うアリサに向かってニーチェは大爆笑。

「つまりお前は道徳に縛られているのだ!ププッ」

P22

反論するアリサに向けて、質問を繰り返していき、どんどん深堀りされていきます。
(少し言い方が鼻につきますが…笑)

「自己中な考え方はよくないというか、人のことを考えられる方が素敵でしょ」

「それはお前の意見なのか?それとも道徳を鵜呑みにしただけなのか、どちらだ?」

「一言には言えないよ、道徳として習ったけれど、自分でも、たしかにそのとおりだなあと思うし」

「ではなぜ、他人のことを考え、道徳を守ることが大切なのだ?」

P23

さらにどんどん深堀りされていくのですが、最初はニーチェの質問に否定的だったアリサでしたが、深堀りされていく中で徐々に”気づき”を得ていきます。

「そっか、非利己的な考えが出来ない “自己中な自分”を頭ごなしに悪いと思い込んでいることが、すでに道徳に振り回されていることになるってことかな」

「そうだ。”自己中な自分”を否定したくなるという気持ちの根底には”自己中でいるのは悪いことだ”という先入観があるのだ。少々過激な言い方をすると、他人から植え付けられた道徳に洗脳されているともいえるだろう。道徳は正しい!といおう前提すら疑ってみるのだ。

ただおとなしく従うのではなく、自分自身で考えてみる。疑い、時にあらがってみる。道徳に支配されて、生きる意欲を失速させてしまっては、意味がないからな。

むやみやたらに道徳に反抗しろ、犯罪に走れと言っているわけではないが、他人から言われたことを鵜呑みにするのではなく、一度疑うことで自分なりに考え直してみることが重要だ」

P35-P36

アリサの考え方が徐々に変わっていく姿が見れる場面だったので、少し長めに書いてみました!質問の内容がどんどん本質に近づいていき『なるほど…』と感心させられる場面でなかなか面白かったです!(*’▽’)ノ

今回は長くなるので割愛してしまいましたが、中に例えも入れられて分かりやすく説明してくれているので、『考えるのが苦手!』って方でもおいていかれないように工夫されていて良かったです!

ということで、話を戻しましょう!!

ここでニーチェは『おとなしく従うのではなく、自分自身で考えてみる』という重要性について話していますね!話の中では『道徳』を例として挙げられていますが、これって色んなことで当てはまることじゃないかと思いますよね!

  • 先輩がやっていたから
  • お客さんにお願いされたから
  • ブログで紹介されてたから

みたいな理由で作業している人って周りで見たことないでしょうか?
こういうのも、『何故?』って自分なりに考え直してみることが重要ですね!

さらにニーチェは話の中でこんなことも話しています!

習慣的に周囲に合わせていると、自分で考える能力を徐々に衰えさせてしまうことにもお繋がるのだ。『すべての習慣は、我々の手先を器用にし、我々の才知を不器用にする』

P28

習慣化は大事ですが、習慣化することで考えることをしなくなることもあるので、注意が必要だなと改めて感じました。

皆さんも『自分なりに考え直してみること』を癖付けるようにしてみてください!(*’▽’)ノ

人間は『自由』に選択することができる

この物語の中で哲学の偉人たちは『人間は自由』が言っています!

僕たちはつねに自由なんです。自由だからこそ自分で何かすることが出来る。そして逆をかえせば、自由だからこそ、何もせずにいることも出来るんです。

(キルケゴール) P141

人が本質…つまり生きている理由、存在している理由を持たないということは、人は何ものでもなく、自由な存在であるといえる

(サルトル) P219

色々と自由に関する考え方が変わりますね!『自由』って聞こえは良いですが、ポジティブな反面、ネガティブな要素もあることを話していたりします!

サルトルに関しては『人は自由の軽にさらされている』って言ってますしね。笑

キルケゴールが話した自由の中での『選択』の考え方が好きな感じで『なるほど!』って思ったのでご紹介していきます!

“何かを選択する”というと、何かを選んで行動することだと思いがちですが、”何かを選択する”というのは、何かを選んで選択するだけではなく、何もしないという行動も選択できるということです

(キルケゴール) P141

例えば、『仕事を辞められない』と嘆いている人は『仕事を辞められない』のではなく、『辞めない』という選択をしているだけ!といった感じです!

『経済的な問題』『上司からのプレッシャー』『世間の目』などの理由で『辞められないんだ!!』って方もいるかもしれないですが、そういう方は『現実的な問題を最優先する』という選択しているのです。

「『何を最優先』で選択をしているのか?」って確かに人によってバラバラなので、自分が『何を最優先』にしているのかを考えてみると面白いかもしれないですね!

良かったら考えてみて下さい!(*’▽’)ノ

自分を受け入れて『勝負』の仕方を考える

『運命がトランプのカードをシャッフルし、我々が勝負する』。

人は平等ではなく。生まれた環境、才能さまざまなものが違う。そういったものを運命とするならば、運命、つまり手持ちのカードは変えられないが、どのように戦略を立てて勝負するかは当人にかかっている。自分の運命を嘆くな、勝負の仕方を考えることが出来るのだからな」

(ショーペンハウアー)P352

遺伝や環境など生まれた時から授かった先天的な能力、そして過ごしてきて身に着いた後天的な能力も全部『自分』かと思います。『運命』によって導かれた手札のカードを使って、『戦略』を立てて成功に向かって色々仕掛けていく。

変えられないことを嘆いても仕方ないので現状の自分を受け入れて、楽しみながら勝負を仕掛けていけるようになりたいですね!(*’▽’)ノ

この言葉を聞いた時にスヌーピーの名言を思い出しました。

ルーシー「Sometimes I wonder you can stand being just a dog ….」
(時々、わたしはどうしてあなたが犬なんかでいられるのか不思議に思うわ。)

スヌーピー「You play with the cards you’re dealt …whatever that means. 」
(配られたカードで勝負するしかないのさ…..それがどういう意味であれ。)

可愛らしい見た目のスヌーピーから、こんな深い名言が話されるとはなかなか思いませんよね。笑

皆さんも配られたカードが何なのか。
そしてどんな戦略で勝負を仕掛けていくのかを改めて考えてみて下さい(*’▽’)ノ

最後に

今回は『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』について話してきました!

目次を見る中でも深い言葉がいっぱいあるので、胸に刺さった言葉などがあるかたもいらっしゃるんじゃないでしょうか?

哲学は『考える学問』って感じで今は検索すれば出てくるので自分の頭で考える機会がどんどん少なくなってきている気もします。考えすぎも良くないですが、考えなさすぎはもっとダメだと思うので、この本を読んで改めて『自分の頭で考えること』の重要性を知っていただけたらと思います!

是非、読んでみて下さい!

ここまで読んで頂きありがとうございました!
また次回もよろしくお願いします!

ABOUT ME
lecu1012
Web系フリーランスエンジニア