書評

『東大卒、農家の右腕になる。』を読みました。

最初に

今回は『東大卒、農家の右腕になる。』という著書をご紹介!

2020年に読んだ本の中で上位に入るほど、心に残った著書です!
特に第1部で語られる著者の実体験。試行錯誤しながら経営改善を行う姿が描かれており、凄い勇気を頂くことができました。

この著書はタイトルだけ見ると『農家の方向けかな?』と感じますが、全てのビジネスで共通しているところが多いと感じました。全てのビジネスマンに読んで頂きたい内容ではありますが、得にお勧めしたいのがコチラ!

  • 小さな会社の経営で悩まれている方
  • 『うつ病』で仕事復帰に悩んでいる方
  • 仕事に『やりがい』を感じていない方

様々な要素を含んでおり経営改善のノウハウに関して、詳細に書かれていたり、仕事のやりがいについて、本質を捉えているなと感じたところもありました。

是非、同じ共感を得て頂けたらと思います!
では早速本題に入っていきましょう!(*’▽’)ノ

『東大卒、農家の右腕になる。』概要

タイトル 東大卒、農家の右腕になる。 小さな経営改善ノウハウ100
著者 佐川 友彦
出版社
ダイヤモンド社
発売日 2020/9/2
目次
  • もくじ
  • 第1部 東大卒、農家の右腕になる。
    • 第1章 理想通りの人生、その歯車が止まるまで。
    • 第2章 夢を捨て、農家と出会った。
    • 第3章 梨農家が三代守ってきたもの、その限界。
    • 第4章 すべては「掃除」から始まった。
    • 第5章 単年勝負のラブレター大作戦
    • 第6章 「農園マネージャー」になる
    • 第7章 梨園の怒涛の繁忙期ダイジェスト
    • 第8章 会計・人事・販売の「小さなカイゼン」
    • 第9章 目標を達成して「不要」になったもの
    • 第10章 農業経営ノウハウ無料公開と「2つの壁」
    • 第11章 集まった資金と「共感」
    • 第12章 佐川君は俺たちと同じ「農家」だから
    • 第13章 「農家の何でも屋」から「農業界の何でも屋」へ
    • 脱力しながらパフォーマンスを最大化する「9つの仕事術」
    • 小さな農家のための「農業経営9箇条」
  • 第2部 小さな経営改善ノウハウ100
    • CHAPTER1 経営
    • CHAPTER2 総務
    • CHAPTER3 会計
    • CHAPTER4 労務
    • CHAPTER5 スタッフ
    • CHAPTER6 生産
    • CHAPTER7 商品
    • CHAPTER8 販売
    • CHAPTER9 PR
  • おわりに

著書について

この著書は第1部と第2部に分かれており、
第1部は『東大を卒業してから農家の右腕として働くことになるまでの実体験』について、
第2部は『実際に行った農家の経営改善のノウハウ』について書かれています!

第2部は具体的な経営改善で行ったノウハウについて『この問題をこう解決した!』ということをまとめており、経営者の方が辞書のように使える内容です!

今回は第1部の『実体験』をメインに取り上げていきたいと思います(*’▽’)ノ


著者の佐川さんが描いていた夢は『環境大臣』!

環境を仕事にしたいと夢見ており、東大卒業後は外資系の化学メーカー企業『デュポン株式会社』に就職を決める!

環境を仕事にでき、早々に責任のあるプロジェクトを任せられることに!
そして若くして結婚し、仕事でもプライベートでも順風満帆に過ごしていました。

しかし、順調に見えていたプロジェクトが座礁。

経験の浅かったこともあって『とんでもないことをしてしまった。』と押し潰されそうな責任を感じながら、プロジェクトを立て直すために残業や休日出勤を重ねて少しずつ精神をすり減らしていきますが、プロジェクトの好転させる材料もなく、ストレスばかり蓄積されていきます。

残業や休日出勤を繰り返す生活を続けていたところ、ある週末に体に異変が起きます。
『自宅でパソコンに向かっていると涙が止まらなくなる』

心療内科に向かったところ『適応障害、うつ病』と診断されてしまいます。

ドクターストップで仕事を休職することになりましたが、プロジェクトは相変わらず難航したまま…。何度か復職を試みましたが、すぐに体調を崩してしまい再度休職します。そして、休職期間の上限を達して退職することになってしまいます。

1年の休息期間を用いて、ITベンチャーで復職を試みます!
ですが、ITベンチャーの夜型サイクルに合わせられず、また体調を崩してしまいます。

またもや復職に失敗してしまった佐川さんは、仕事の『やりがい』よりも『安心できる環境で無理なく働き続けること』を優先することを決め、地元栃木の宇都宮へ帰ることを決意!

地元で職を探しているところ、NPO法人の「とちぎユースサポーターネットワーク(以下、ユース)」と出会います。ユースは『若者の力で地域を活性化させること』を目的とした団体で、その時に地元企業と若者を3~4ヶ月間のインターンシップで繋ぐ「ゲンバチャレンジ」という事業を行っているところでした!

「ゲンバチャレンジ」は20台前半を対象としていましたが、相談したところOKを貰い、ユースの紹介の下、『阿部梨園』でインターンシップすることが決まります!

『インターンシップで何をさせてもらえるのか?』と期待して行ったところ、特にインターン段取りなどは準備されておらず、代表の阿部さんは『佐川くん、何でも教えてよ!』と何度も口にされます。

このままではインターンで実りのある成果を得られないと危機感を感じた佐川さんは、経営に関する情報が殆んど無かったので、少しでも情報を増やそうと阿部さんに質問をしていくことにしました。しかし、阿部さんからは期待した答えが返ってきません。

そこで佐川さんは『農家さんの現状』に少しずつ気づいていくこととなっていきます。

10年以上の経験があって、経営について日々悩んでいるのであれば、書ききれないほどの情報が出てくるかと思いきや、なんとかひねり出した2、3の答えしか出てきませんでした。経営課題や、経営に関する意識がないわけではなく、それらを言語化できていなかったのです。

P56

人一倍頑張っている『阿部梨園』で出来ていないのなら、大半の農家でも出来ていないはず。そんな『農家の現状』を目の当たりにしていきます。

経営する中で、梨の出荷や接客などの業務まで『すべてにおいて改善できそうな箇所が無数にある』と感じた佐川さん。

インターンのテーマとして『経営や業務を根本から見直す』と決め、『4ヶ月300時間のインターン期間の中で100件の改善を目指すこと』を決めます!

目標を決めてからは闇雲に改善を積み重ねていき、違う世界せ生きてきたのでお互いを理解するのには時間がかかりましたが、徐々に馴染んでいき、スタッフ側からも改善アイデアが出てくるように変わっていきます!

インターンが終わった時の結果は73件!

残念ながら100件には届きませんでしたが、経営改善を行う中で佐川さんが仕事に対する想いにも変化が現れ、『阿部梨園』での仕事に『やりがい』を感じるようになっていきます。

インターン期間を終えてからも経営改善プロジェクトを続けたいと思った佐川さんは『阿部梨園』で働くことを決心します。

最初は月給15万円で提案されましたが、『貢献するから損はさせない』という気持ちを込めて+5万円で契約します。

ただし非生産人員として農家に就職することになるので、『単年契約、単年勝負』のつもりでやろうと『成果が出たら昇給してもらって、翌年もプロジェクト続行。成果が出なかったらそこでプロジェクト終了』と提案!

こういった条件の下、2015年1月に佐川さんは農家に就職します!

契約をしてからは『阿部梨園』と共に経営改善を奮闘する日々。
経営改善のプロジェクトを継続させていく中、順調に売り上げも伸びていきます。

順調に売り上げが伸びていっている中、ついに訪れてしまいます。
2017年シーズンの販売データを分析したところ、期待した結果ではなかった。

2017年は仕上げの年と思って準備万端だったことを思えば、期待した結果ではありませんでした。これでもほぼ完売なので、梨の生産量が増えない以上は、売上が大きく増える伸びしろはありません。毎年断行してきた値上げも限界に近づいて来ました。

P124

その状況から導き出した結論は『今の生産量での阿部梨園の価値を限界まで引き出し切った』ということです。

佐川さんが選ぶべき道は2つ『新たな収益源を作るか』『佐川が辞めるか』。

『佐川さん』は『辞めること』を決断します。
これまで『阿部梨園』と共に奮闘してきた中で急に現れたタイムリミット。

『残り1年で何が出来るだろう?』と考えた佐川さんはこれまで行った経営改善のノウハウをまとめることにします。これまで行ってきた経営ノウハウを公開することで『同じように困っている人の役に立てられないか?』ということを思いつきます!

しかし、そこには2つの壁がありました。
『①資金の壁』『②普及の壁』です。

無名な個人農家のノウハウを売り出したとして正体不明で敬遠されることは容易に想像できたので、『無料じゃないと見られない』ということ、そして、『単なるお役立ちブログ』を開設してこっそり更新するだけではインパクトが出ず、仲間内にしか使って貰えないだろうということです。

この2つの壁を解決するために悩んだところ、『クラウドファンディング』を開設することで解決出来るのではないか!ということに気づき、クラウドファンディングに挑戦することを決意します!

↓実際に行ったクラウドファンディングはこちら↓

初日に4人合計2万4000円の滑り出し。初速が大事だと言われているクラウドファンディングですが、徐々に売上を伸ばし325人の支援で合計446万3000円で着地!

見事クラウドファンディングに成功を果たします!
実際に公開された『阿部梨園の知恵袋』はこちらです!

2019年1月『阿部梨園』での勤務がフルタイムではなくなったのに合わせて、個人事業を立ち上げ、2020年1月に『ファームサイド株式会社』を設立。

『ファームサイド株式会社』では下記のことを行っているそうです。

  • 生産者向けコンサルティング
  • 事業者向けコンサルティング
  • 講演、講義、セミナー、執筆
  • コミュニティ形成(イベント運営など)

佐川さんは現在『農家の何でも屋』から『農業界の何でも屋』という形で農家の右腕となり、農業界の課題解決のために日々行動を起こしているそうです!

最後に佐川さんが残している言葉です。

経済が、政策が、農協が、消費者が……と何かを責めるだけでは、未来は明るくなりません。「守りながら、変えていく」の精神で、何を守るために、何を変えるのか。それぞれが考えて、行動に移す。そして知見や思いを共有して連帯すれば、活路が見えてくると思います。阿部梨園の拙い事例が、次の一歩を踏み出す皆さんの励ましに、そして踏み台になれば幸いです。

P178


 

少し長くなってしまいましたが、第1部ではこのように佐川さんが『東大を卒業してから農家の右腕として働くことになるまでの実体験』までが赤裸々に語られています。

『阿部梨園の知恵袋』の中でも書籍化に対する想いが書かれていました!

第一部は実体験のお話なので、要約するのはおこがましいかと思いましたが、
『学んだこと』を伝えやすくするために書かせて頂きました。
(申し訳ありません…。指摘があれば削除します…(._.))

私が書いた内容はポイントを押さえて言っている感じなので、

  • 具体的に何をしたのか?
  • その時の想いは?
  • 感情の変化は?

など、詳しく知りたい方は、是非本著を読んで頂けると幸いです!
では、今回の著書から学んだことはこちらです!

この著書で私が『学んだこと』とは?

『うつ病』からの復帰の過程を知れる

この著書の第1部では前述した通り、仕事で上手く行かずに『うつ病』になってしまい、そこから農家の仕事で復帰するまでの過程を赤裸々に語られています。

『どんなところで悩んだのか。』『何から始めたのか。』など、『うつ病』になった方がここまで赤裸々に語られているのも珍しいかと思います。

『うつ病』を経験したことがない人からすると、『うつ病』ってこんなに仕事に復帰するのが大変なんだと知れますし、『うつ病』を経験したことがある方は勇気付けられる内容かと思います。

佐川さんと同じ経験を得ることはなかなか難しいことかと思いますし、例え同じ経験をしたからと言って、うつ病から復帰できるとは勿論言いません。

ただ、佐川さんがどこのポイントに『感情の変化があったのか?』『仕事をやりたいと感じれるようになったのか?』というのを知れたことは凄い良かったです!

くり坊
くり坊

私の職業であるシステムエンジニアは『うつ病』になる方が多い職業だと思ってて、実際に私の知り合いで『うつ病』になった方が何人かいます。

自分自身が『うつ病』かからなくても周りの人間で仕事復帰に悩む方もいたりするので、そんな方にこの本を紹介してあげたいなって思いました!

皆さんも良かったら周りに困っている方がいれば紹介してあげて下さい!(*’▽’)ノ

小さなことでも周りに『行動』を見えるようにする

経営改善を行うために、佐川さんは『掃除』から着手をしていきます。

農家のことを知らなかったこともあり、掃除をしながら気になる情報を見つけては質問していき、少しずつ農家の知識を付けていくようにしたそうです。一度に説明されても理解するのは難しいですが、掃除をしながら見つけた情報を説明してもらう『必要そうな情報をこちら側あから収集するアプローチ』を行うことで少しずつ学んでいきます。

また掃除から始めたことで周りの目にも変化が起こったそうです。

まず、変化が誰の目にも止まるので、「経営改善のプロジェクトをスタッフにも認知してもらえる」ようになりました。パソコンの中での事務作業に終始して、阿部と私のミーティングだけを重ねていたら、現場スタッフには何が起こっているのかさああえわからなかったと思います。掃除という結果が目につくことから着手したおかげで、目的やゴールがわからなかったとしても「これから何か変化が起こるんだ」というシグナルが伝わったようなのです。

P62

掃除も現場チームも徐々に力を貸してくれて、青空休憩でお茶菓子を味わううちにスタッフの距離も自然に縮まっていきます。

これから何か始める場合は『計画立てることだけをやる』のではなく、小さなことでも『誰もが見えるような行動をすること』で変化に気づいてもらえたり、協力者が出てきたりすることもあるので、注意していきたいと思います!

くり坊
くり坊

気軽に周りに伝えるというのは『Twitter』が優秀ですね。

『ブログ』に置き換えから『ブログに書き始める時に報告』したり、『記事を書いた時に報告』したりなど、そういう行為でも周りに行動していることを発信になるんじゃないかなって感じました。

小さいことの積み重ねが大きくなるんだと思って試してみようかと思います!

自分で目標を立てて、本気で目標達成を目指す

佐川さんは農家にインターンをする際に目標を設定します。4ヶ月300時間のインターン期間で目標に設定したのは『100件の経営改善を目指すこと』!

このプロジェクトを計画したのは佐川さんで、結果に大きく影響を受けるのも佐川さん本人になることもあったので、インターン期間の最後ギリギリまで走り切ったそうです。その間、迷ったり空振りを気にする余裕も無かったと書かれていました。

インターン期間が終了する時は73件達成と全ての改善は出来なかったものの、最後までは足り切ったという達成感があったそうです!そして、リハビリ目的でのインターンでたまたま出会った農園で仕事の『やりがい』を感じるようになります。

そして、阿部梨園に残ってプロジェクトを続けたいという気持ちになっていきます!

くり坊
くり坊

佐川さんのように『うつ病』の方だけでなく、『やりがい』を感じながら仕事を行っている人って少ない方じゃないかと思っていますね。

会社の取り組みとして目標の設定をしていることもありますが、佐川さんの行動を見ていると『やりがい』を感じるためには『自ら目標を立てる』ことと、『本気で目標達成を目指す』ことが大切だと感じました。

以前にOKRという目標設定のフレームワークについて記事を書きましたが、通じることもあったのでまた目標設定を立てて行きたいと思いました!(*’▽’)ノ

読みやすくされている工夫

本の内容ではないですが、この本は読者に読みやすくなるような工夫が多くて、文章を書いている身からすると参考にできるポイントが多かったので色々学べることが出来ました!

  • 大事なポイントにマーカー・太字
  • 拾った武器
  • 経営ノウハウの伝え方(内容・結果・コツ・解説)
  • ジャンル分け、部・章の分け方

読むときに重要なポイントを『マーカー・太字』を付けることは他の著書でもよく行われていますが、第1部では佐川さんがエピソードの中で『何を習得したのか』『拾った武器』として書いており、自分の経験が活かされていることが伝わりやすくされていて、凄い分かりやすかったです。

第2部でも100もの経営ノウハウを『読者が知りたい』下記のようなポイントをピックアップして書かれていたので、凄い分かりやすかったです。

  • 何をしたのか?
  • どんな結果を得たのか?
  • 経験した上でのコツは何か?

他にもジャンル、部・章など、伝えたい項目ごとに分けられていたりなど、書き手としても学べることが多いと感じた本でした!

くり坊
くり坊

この著書の構成は『エピソード』と『ノウハウ』が綺麗に分かれていて結構本の中では珍しい方なんじゃないかと思いました!
(エピソードの中でノウハウを混ぜていく本が多いイメージ。)

一つの書き方にこだわらず、見やすいように色々と工夫していくことの大切さを学んだ感じがします!

最後に

今回は『東大卒、農家の右腕になる。』について紹介していきました!

エピソードの紹介もあって、長くなってしまいましたが、
本当にお勧めできる本なので、是非見て頂けたらと思います!

こんな風に読んだ本や本から学んだことをどんどん紹介していこうかと思っているので、
よろしかったら次回も見て頂けると嬉しいです!

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